広島大学医学部歯学部ラグビー部
平成7年の西医体
あと一歩に泣く…霞ラガーズ再び
第47回西医体(神鍋)三位
平成7年度主将宮崎正輝

 最初に広島大学医学部霞ラグビー部、創部三十周年を心よりお祝申し上げます。また、ここ数年部員が少なく、チーム状態も苦しい中、部を存続させ復活へと導いてくれた後輩達、そして医学部を越えてチームをまとめて下さった歯学部の後輩達に心より感謝いたします。


 私の入学した頃は、前々年西医体優勝、前年三位と、医学部の中でもかなりの強豪との噂もあり、私が広大を選んだ理由も西医体優勝校であるというものでした。同級生にも、元熊本県代表SO大熊君(熊やん)、松山東でラグビーをし、あの新田高校からトライを奪った宮本君(宮本先生)、そして天性の格闘家浜石君(ハマちゃん)と、僕を含め三人のラグビー経験者と1人の格闘家が入部。先輩達の熱い期待を受ける学年であった。

 私が主将に任命された時は、レギュラー7名が引退、部員も19名とかなり厳しい状況でした。そんな中、僕らが1年生の時からのコーチである丸尾さん、寺岡さんが今まで以上に熱心に指導して下さリました。丸尾さんはほとんど毎 回の練習に来て頂き、背広を着たままスクラムを組んだり、寺岡さんも合宿最後のランパスに参加してくれる等、口だけで指導するのではなく、きつい練習を一緒にしてくれたことは本当に嬉しかったし、だからこそ信じてついて行けたのだと思います。

 さて1年を振り返ってみる。秋。とにかくupandunderを身につけること、 そしてFWの意識改革に加え、モールでトライを取ること。今まで、本部や大型FWのチームにされてきた事を広大がやり返す事。最初は戸惑いもあったが、コーチの指導のお陰で、徐々に全員の意識が変わっていった。中国医科大会は優勝。そして中国大会一回戦は西さん、宮本の活躍で広島経済大学に圧勝。二回戦、広大本部。この日、SO熊やんのGKは絶好調。ほとんど角度のないところから次々とゴールを決めていく。しかし本部に2トライを奪われ、逆転される。後半センターライン付近からCTB志々田のキックが相手陣深くへ。熊やんが拾い、downball(実はゴールラインを間違えたらしい)。そこに不祥、宮崎現れ、ゴール下に飛び込み、トライ。キックも決まり逆転。しかし何と、この感動的なトライは、ビデオのテーブが丁度切れて、入れ替えている間に起こってしまい、志々田の変なキックで終わっている。その後、チームも勢いづき、本部相手にスクラムを押したり、モールを押したりと実力以上の力を発揮。FW第三列の出足も鋭く、BKの気迫溢れるタツクルも目立っていた。結局13- 12で本部相手に勝利を収めた。この時、いつまでも泣いている僕の頭にポカリスエットをバケツごとかけられたのをいつまでも忘れない。決勝戦;広島工業大。前半から目紛しい攻防。前半を3-5で折り返す。後半、何度も相手ゴール前まで行くがペナルティーで戻される。ゴール正面でのペナルティーあったが、トライを取りにいき失敗。その後何度も自陣ゴール前まで攻め込まれるもBK3の活躍でなんとかトライを取らせず。尾上さん、ぞのさん、宮本のスーパーランもあったがトライには結びつかず。そしてロスタイム、相手ゴール前でGKを貰う。距離はあったが熊やんなら大丈夫。誰もがそう思ったが、ボールはゴールを外れ、その瞬間、ノーサイドの笛が鳴り響いた(3-5で惜敗)。後半の相手ゴール前での反則が悔やまれた。あと一歩、もう少し個々の力があればと思われたが、この短期間での成長は丸尾さんが想像した以上ではないかと思う。

 年が明けて一大事。何と丸尾さんの岡山への転勤が急に決まった。自分達でやるしかない。春はとにかく走った。その後阪大と合同合宿&関西遠征。巨大な阪大病院に、広大との大きな偏差値の差を感じてしまった。そして合宿中に東京でサリン事件発生。世紀末の不安を覚えた。関西遠征は、大型FWの関西勢に怯むことなく全勝で終了。進級も無事に済み、新年度。西医体に向け、ますます練習は厳しさを増し、午前中はみんな授業に出てもほとんど寝ていた。昼休みは解剖棟の前で、峠ちゃんと日高と一緒に首の筋トレ(あの時の日高の熱い雄叫びは…)。練習のない日もチャンプスに行くと浜ちゃん、大森、宮本などが鏡を見ながらポーズをとり、自分の筋肉に見とれていた。あれ程ラグビーだけを考え、みんなでやってこれた時はないのではないかと今でも思う。そして夏合宿。寺岡さんに''もうこれ以上走り込みをしなくても十分だ''と言われる程チームとして、出来上がっていた。けが人も回復し、自信満々で西医体に望んだ。

 西医体1回戦;大分医大。丸尾さんより"100点差で勝て''との指令。前半最初からトライを取り続け、前半を50-0。観衆からどよめきが起こる程、ボールを繋ぎ(特に西さんのプレーはうまかった)、ランニングラグビーを展開。後 半も手を緩めることなく、52点を奪い、102-0と記録的大勝を収めた。

 2回戦;京大。まだ1度も勝ったことのない相手であり、前回は京大に負け2 回戦敗退している。タッチキックをチャージされ、トライを奪われたが、BK,FWとも優勢に戦い、そして後半、相手ゴール前のラックから熊やんが切れ込んだところをヅメさんがフォロー、ゴールに飛び込みトライ。ゴールも決まり逆転(13-7)。京大も広大のディフェンスに攻めきれず、後半残りわずかでPKを加えただけであった。だが試合終了間際、相手ゴール前5mより京大BKが展開。ラインの裏に出たところを宮本が止めるも、すぐにボールが出され、展開。もうダメか?と思われたところで、尾上(ガミオ)が2対1をタックルで止め、かろうじて勝利を収めた(13-10)。この日彼は初めて男になった。

 3回戦神戸大学。前回の疲れからか、動きが鈍い。熊やんのGKで点差を重ねるが、取れるところでトライが取れず、結局兼川さんの独走トライ1つだけで終わった。(16-5)

 準決勝;春に練習試合で惜敗した九大。この試合も熊やんのGKが冴える。相手陣内でのPK(ほとんどサイドライン上)をことごとく決める。両CTB,FBが九大BKを封じ込めた。前半を9-5で折り返す。後半に入り、防戦が続く。 一瞬の隙をつかれ、PKから展開。あれよあれよと攻め込まれ、トライを決められた。その後も決定的なチャンスはなく9-10と1点差に泣いた。

 3位決定戦。目標の金メダルは取れないが、最後の試合を楽しもう、と積極的 に攻めた。特に学2の活躍が光った。1年前はみんな試合にも出ていなかったが本当に成長したものだ。53-3と快勝。銅メダルをつけた尾上さん、ヅメさんが高々と胴揚げさ.れた。 こうして中国大会、西医体ともにあと一歩でしたが、本当に充実した1年間でした。かなり強引なキャプテンでしたが、サポートしてくれた同級生、先輩方、そして熱血指導をして下さった丸尾實Rーチに本当に感謝致しています。 そして、泥臭くても、とにかくしつこく、最後まで勝利を諦めずに全力でプレーするという霞ラガーズの精神をいつまでも変わらずに後輩達に受け継いでいってほしいと思います。